アマゾンの村上春樹








2011年5月14日土曜日

人生について考えてみたいときにおすすめの小説★『四日間の奇蹟』(浅倉 卓弥)

・・・・・・泣けました。

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラー。

脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。


四日間という区切られた期間を長編で丹念に追う筆致が素晴らしい。

事故でその才能を活かせなくなった音楽家、その事故をきっかけに音楽家と暮らすことになり、その才能を受け継ぎつつある少女、また、彼らの人生にとって重要な役割を果たすことになるもう一人の登場人物。

彼らの織りなす心情が、作品を通して登場するピアノ曲のように細やかに、そして激しくつづられていく。

そうした彼らに訪れた再度の転機となる第二の大きな事故後の数日間のストーリーは、陳腐な表現だが涙無くしてページを繰ることができない。


一言で言うと、 「"生"と"死"に正面から向き合った、命の傑作」だ。

生きる意味を考えさせられる。

自分の人生に自信をつけさせられる。

そんな心動かされる、感動の作品だ。

「何故自分は生きているのか?」

「誰のために?」

「何の目的で?」

「自分が死んだらどうなるのか?」


4日間で僕たちは「自分」を考えることになる。

真面目に人生について考えたい時におすすめの本だ。


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フィリップ・マーロウという生き方★『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー

おすすめの徹夜覚悟の本★フィリップ・マーロウという生き方★『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー (著)、村上 春樹 (翻訳)


私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。

あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。

何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。

しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。

が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…

大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。

アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作。


50年代に書かれ、ながらく『長いお別れ』として知られたハードボイルド小説の最高峰と言われてるレイモンド・チャンドラーの作品。

村上春樹による新訳本が出版された。

これは、はっきりいってすごいです。

原作の雰囲気に忠実な村上訳もさることながら、オリジナルのミステリの面白さ、語り部としてのフィリップ・マーロウの圧倒的な存在感にあっという間に引き込まれ、読み始めたら止まらなくなってしまう。

LAでのある殺人事件がきっかけで、重層的に織り成す人間関係の描写から、幾重にも仕込まれたミステリの謎解きも見事。

しかし、もっともすごいのがフィリップマーロウの存在。

村上春樹はあとがきで90ページも費やしているのですが、これだけでほとんど解説本の域に達しており、一冊分の価値があるくらい。

マーロウの行動は、彼の人間としての自我意識の実相をすべて反映していると思えない一方、行動描写は一貫性をもった視点で貫かれている。

ゆえに、マーロウは、実在の人間というよりは『純粋仮説』そのもの、または『純粋仮説の受け皿』であると。

これほど見事な解説には初めてお目にかかった。


マーロウが仮説だからこそ、人間の機微や感情により生じる、あいまいさや柔らかさを一切なくしたような状態、固ゆで卵=ハードボイルドの世界がこれほどの一貫性をもって成立したのか!!!と納得。

マーロウ=ハードボイルド=純粋仮説の受け皿、、、なるほど!!!!


別れるということは、少しの間死ぬようなものだ。(それほどに別れは痛みを伴う) と思っていた。

しかし、別れるということは、これまでの自分の一部が失うことだ。 と知り、言葉の深さにしばし呆然とした。

 
死別の限らず、これまでの人生でいったいそれほどの別れを何度してきただろう。

もしくは、その時その時の別れにそれほどの思いを抱いて来ただろうか。

そう思うからこそ、ロング・グッドバイで描かれる世界観に惹かれ、圧倒的な 苦しさを覚えながらも頁をめくる手が止まらない。

徹夜覚悟で読んでください。 (徹夜するぐらい面白い本、徹夜するぐらい面白い小説。)



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傑作警察モノのお勧め小説★スウェーデンの最高傑作警察物語「笑う警官」シリーズ

『笑う警官』(マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー)


僕がこの「マルティン・ベック」シリーズを知ったのは高校2年の夏だった。

旺文社の「高2時代」という本で紹介していた。

スウェーデンのおしどり夫婦が二人で書いている警察物語。

最終的には10巻になり、10年間のスウェーデンの歴史ものにもなっている。

はっきり言って、おもしろい!

登場人物の深みが、日本のチャチな警察小説とは雲泥の差なのだ。


『笑う警官』について言うと・・・・・

ベトナム反戦デモが荒れた夜、放置された一台のバスに現職刑事八人を含む死体が! 

史上初の大量殺人事件に警視庁の殺人課は色めき立つ。

アメリカ推理作家クラブ最優秀長編賞受賞の傑作。



1967年11月13日午後11時過ぎ。

ストックホルムの街外れで、運転手と乗客の射殺体を満載した路線バスが発見される。

被害者の中には一人の若い刑事が含まれていた。

果たしてこの大量殺人の背景には何があったのか?

殺人課の刑事たちが真相を求めて奔走する…。

 
スウェーデンで1968年に出版された警察小説。

傑作の呼び声高く、その評判を裏切らない“すこぶるつき”の面白さを堪能できる。

 
400頁を越えるこの小説が読者を結末まで一気に引っ張る理由はいくつもある。

 
殺害された乗客たちに何ひとつ共通点が見出せないという事件の背後に、やがて別の迷宮入り事件の影が見え始める。

謎が謎を呼ぶという筋立てのワクワク感は途中一度として読者を飽きさせることはない。


また事件を追う刑事たちの一癖も二癖もある個性が決して突飛ではなく、存在感あふれるその人物造詣は見事としか言いようがない。

中心人物であるマルティン・ベックが抱える夫婦の倦怠感と、両親のそうした危機的状況をまだ窺い知るには幼い娘イングリッドとベックとの父娘の会話。

一方ベック夫妻とは対照的に、コルベリ刑事とその14歳も若い妻グンとの初々しくも官能的なやりとり。

直接事件解明に結びつくわけではない夫婦や家族の挿話が、物語に人間くさい奥行きを持たせている。

 
さらにいえば、この小説は60年代の社会的空気を鮮やかに切り取って差し出す点にも特徴がある。

スウェーデンがまだ第二次世界大戦の記憶を生々しく抱えているという時代背景や、そんな時代にあって今はアメリカがはまりこんだベトナム戦争の泥沼が、遠く北欧の人々にも大きな影響を与えている状況などが描かれている。

それでいてこの40年も前の小説は、今でも決して古びることなく読者を魅了する。

刑事たちと共に、スリルを味わいながら犯人を追った400頁でした。

シリーズの中で1作ごとに確実に歳をとっていく主人公たちの人生模様も楽しめる。


警察物語を超えた警察物語。

手に取って損することはない。

是非、10巻、全部そろえることで人生が深くなることを僕が請け負うね。

最低でも5年間は楽しめメル。間違っても日本の作家による「笑い警官」を買わないでね。



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2011年5月7日土曜日

「読まずに死ねるか!」オススメの大冒険小説●『虎口からの脱出』(景山 民夫)

景山民夫は大好きな作家、エッセイストだった。

最後は事故死(?)的なガス中毒で亡くなった。

エッセイも小説も大好きだった。

80年代、ビートたけし達とテレビのバラエティー番組でふざけていたイメージが強かった景山民夫。


これがもう、面白いのなんの。

国内の冒険小説では久しぶりに、寝る間も惜しんで一気読みしてしまった。

ストーリー、テンポ、情景描写、人物設定すべてが文句無し。

手に汗握る興奮の世界へ読者を誘う冒険小説の大傑作。

まだまだこれから、という歳でこの世を去ってしまった事が残念で仕方ない。

もし、今でも生きていたら、どれ程面白い作品を書き残していただろうか。

そう思わずにはいられない。


本書は「冒険小説」だ。


時は昭和3年、所は奉天。

一瞬の爆風と共に張作霖暗殺さる。

唯一の目撃者である少女、麗華を追って関東軍が立上がる。

奉天軍も動き始める。

そして国民党軍も…。

上海まで1600キロ、期限は3日。

日中全軍を敵に回した脱出行、車輪よ駆けろ!

待望の書下ろし長編冒険小説。


ページをめくるのがもったいないほど面白い、読んでいる途中で、まだ残っているページがこんなにあるのか、と先の展開が嬉しくなる。

そんなときこそ読書の至福の時。


僕にとってこの作品はまさにそういう作品でした。

まるでハリウッドの一級のエンターテイメント映画を見ているかのよう。


古本屋で100円で売られているのをみて、嬉しいやら、悲しいやら。

「読まずに死ねるか!」です。


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流れゆく時を忘れたい時におすすめの本★『テンペスト』(池上 永一 )

美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。

少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。

しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった――。

見せ場満載、桁外れの面白さ!



珊瑚礁王国の美少女・真鶴は性を偽り、宦官になる―。

前人未踏のノンストップ人生劇場。


おもしろかった、物凄く。

ただし、これを読む時には、ライトノベルだ!と思って、エンターテイメントとして割り切って読まないと、肩透かしを食らってしまう。

僕は、「そここそがいいんじゃあないか!」と思うけれども、歴史大河小説を期待すると、その「軽さ」とエンタメ重視の姿勢に、つまらなく感じてしまう人もいるだろう。

けれども、こういう味付けをしないで、だれが、琉球王国の歴史なんて言うマイナーな部分を小説化してくれるだろうか?、

そういう意味では、著者の戦略と功績は大きいと思う。



もちろんある程度戯画化(カリカチャアライズ)されているとしても、なるほど、琉球王国というのはそういう存在で、そういう「美」があったのか!と思わせる、知らしめさせる物語世界の美しさには、感動します。

ライトノベルの萌え小説として「も」読める、というところにこの小説の素晴らしさがあると僕は思います。


おもしろいこと、おもしろいこと。

この作家の知識の豊富さと、 その史実をベースにした創造力に脱帽。

半端じゃない。

昔の『ベルバラ』っぽくて、とてもいい味を出している。

エンターテイメントとして「時間を忘れて」読むふける、という時間が欲しい方にはぴったりです。


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2011年5月6日金曜日

宮部みゆきのお勧め本★『おそろし 三島屋変調百物語事始』

17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに、ぴたりと他人に心を閉ざしてしまった。

ふさぎ込む日々を、江戸で三島屋という店を構える叔父夫婦のもとに身を寄せ、慣れないながら黙々と働くことでやり過ごしている。

そんなある日、叔父・伊兵衛はおちかを呼ぶと、これから訪ねてくるという客の対応を任せて出かけてしまう。

おそるおそる客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていく。

いつしか次々に訪れる人々の話は、おちかの心を少しずつ溶かし始めて…哀切にして不可思議。

宮部みゆきの「百物語」、ここに始まる。



江戸の神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋。

訳あって、その店の主人である叔父夫婦のもとに預けられ、働くことになった十七歳のちかが、店の「黒白の間」で、そこを訪れる人たちの不思議で怪しい話を聞いてゆく。

不思議で怪しい、切なさと怖さ、恨みと憎しみ、割り切れぬ思いなどが絡まり合ってゆく。

曰く、変調百物語。

その聞き手となった主人公のちかが、語り手となる人たちから百物語の話を聞いていくことで、語り手とそこに関わる人たちの呪いを浄化し、それとともに、自らが負った災厄の根っこを見つめ、逃げずに相対してゆくようになるのですね。

 
著者の『あかんべえ』と好一対の、健気な少女と幽霊あるいは幽鬼たちが心を触れ合わせ、それぞれに浄化、変容、再生していく物語。

第一話「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の話から、「お! これは、読ませるじゃないか」と、話の中に引っ張り込まれ、「凶宅」「邪恋」「魔鏡」と読み進めていくうちに、いつしか夢中で読みふけっていました。

とりわけ、「魔鏡」「家鳴り(いえなり)」と続く終盤、物語の第四コーナーの一瀉千里、怒涛の勢いは圧巻。

「魔鏡」に出てくる美しい登場人物は、殊に印象強烈。

怖かったなあ。

上村松園の『焔(ほのお)』という絵に描かれた女性がゆくりなくも思い出されまして、ぞおっとしました。

 
愛する心と憎む心、気遣う心と悪意の心、そうした人の思いというのは表裏一体、紙一重のところにあるのだなあと、本書をひもといていくうちに、しみじみ感じ入ってしまいましたねぇ。

登場人物の伊兵衛の言う、<何が白で何が黒かということは、実はとても曖昧なのだよ>との言葉が、ことのほか印象深く、忘れられません。
 
 
蛇足ながら、「最終話 家鳴り」の中、ある人物が言う「姉さんが来た、姉さんが来た」という台詞のことで。

ここはおそらく、著者の敬愛する岡本綺堂『半七捕物帳』の記念すべき第一話「お文(ふみ)の魂」を念頭に置いています。

本書をはじめ、宮部さんの江戸時代ものの小説の雰囲気、

なかでも怪しの雰囲気には、岡本綺堂の『半七捕物帳』『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)』などの作品に非常に通じるものがあります。

未読の方は、そちらもぜひ、お読みになることをおすすめいたします。



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2011年5月5日木曜日

ほのぼの切ないお勧め小説●『気をつけ、礼。』(重松 清)

僕は、あの頃の先生より歳をとった―それでも、先生はずっと、僕の先生だった。

受験の役には立たなかったし、何かを教わったんだということにさえ、若いうちは気づかなかった。

オトナになってからわかった…


画家になる夢に破れた美術教師、ニール・ヤングを教えてくれた物理の先生、怖いけど本当は優しい保健室のおばちゃん。

教師と教え子との、懐かしく、ちょっと寂しく、決して失われない物語。

時が流れること、生きていくことの切なさを、やさしく包みこむ全六篇。


教師と生徒の関係を描いた短編集。

教師って完璧ではない。

聖人君子でもないし、神様でもない。

この作品に出てくる教師はどれもいい意味でも悪い意味でも 一人の人間である。

責めることは出来ないけれど、 もう少しどうにかならないものか・・・と思う教師もいる。

でも、振り返ったときに生徒と生徒の関係はどれも悪い思い出として残っていない。

もちろん現実ではそういうことばかりではないけれど、自分の経験を振り返ってみても生徒のときはすごく嫌いだった先生でも今思い出すとなぜか許してしまえたりしている。


月日はいろんな意味で寛容なんだな。


この本の中で一番心に残ったフレーズ。

「センセ、オトナにはなして先生がおらんのでしょう。
先生なしで生きていかんといけんのをオトナいうんでしょうか」


忌野清志郎が『RCサクセション』時代に歌っていた『僕の好きな先生』を小説にしたようなものです。

大事件も起こらないし、ヒーローもヒロインもいないけれど、「いい話しだな・・・・」と思える心暖まる短編集。

学校の先生って、実は人生を左右するほどの存在だけど、給料は驚くほど安いよな。(僕は教師じゃないけれど)。

幼稚園や小学校の低学年ほど、「いい先生」が必要なので、もっと給料を上げて欲しい、と、これは本書には関係の無い話し。


『気をつけ、礼。』・・・・・先生のいない「オトナ」にお勧めの一冊。


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オススメのミステリィ●死ぬのは1年だけ待って●『チェーン・ポイズン』(本多 孝好)

あと1年。

死ぬ日を待ち続ける。

それだけが私の希望――。

かりそめに生きることは、もうできない。

選んだのは「死」。



一方で、不思議な自殺の連鎖を調べる記者。

そこに至るただひとつの繋がり。

「生」の意味を現代に投げかける、文句なしの最高傑作!




誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。

簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。

死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。

「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」

それは決して悪い取り引きではないように思われた――。



「この先、このまま生きていっても、きっと何も変わらないだろう」と、自分の人生に絶望し、自殺することに決めた女性。

死を決意した彼女の一年間を追っていく話をAとすると、複数の自殺者の死の特異な共通点に気がつき、その真相を調査していく週刊誌記者の話はB。

AとB、今から一年と数ヶ月前に話がはじまる前者と、ある共通点が見受けられる自殺が続いた現在から話がはじまる後者が交錯する形で、ストーリーが進んでいくミステリ。

終盤に向かうに連れてぐんぐん面白くなっていき、目が離せなくなってしまう。



一年後に自殺することを心の拠り所にして生きていく女性の変貌、生き生きとした人間らしさを取り戻していく姿、その変化が魅力的に描き出されている。

そこが、まず素晴らしい。

一年間の暇つぶしのためにとボランティアすることになった養護施設で、子どもたちやスタッフと過ごしていく中、彼女は変わっていく。

終盤、彼女の心境と行動の変化にすっかり魅せられ、胸にこみ上げてくるものがある。


さらに、ある場面で、ある絵柄ががらりと変わり、「えっ!!??」と仰天させられる。

全く念頭になかったので、これにはすっかりダマされてしまった。

背負い投げ一本、てな感じですかね。

著者に投げ飛ばされてから、あわてて前の頁に戻って読み返しまして、「ああ、不覚。ああ、錯覚」と、自分の頭をこつんと叩いた次第。



ミステリー小説とも言えるが、ミステリーの境地を超えた「生」と言うテーマが、根底に流れている。

「死」というテーマを全面に押し出し「生」の意味を考える。

すばらしい構成になっている。

文体も平易で、読みやすく、いっきに読める(と言うか、目が離せなくなる)。



人間、いつ死ぬのかわからないからこそ、今日という日を一生懸命生き らるのかもしれない。

本を閉じて、ふとそう感じた。



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2011年5月4日水曜日

風になれ!●オススメの感動小説●『一瞬の風になれ』(佐藤 多佳子)

これまた、僕にドンピシャの小説。

僕は中学生の頃、陸上競技の100mと三段跳び、400mリレーをやっていた。

この『一瞬の風になれ』は高校生の陸上への、そして人生へのひたむきさを見事を描いた作品になっている。


あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。


主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。

サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。

新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。


夢は、ひとつ。

どこまでも速くなること。

信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。

神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。


この小説を読んでいると風を切るような音まで聞えてくる。


見事なのは、競技中の描写。

新二が走る100m、200m、400mなどを中心に、各競技のスピード感や躍動感が迫力を持って伝わってくる。

特に、本書の山場とも言える4継(4人がバトンをつないで合計400mを走るリレー)では、手に汗握る大熱戦が展開される。

丁寧な人物描写も、物語に温かみを与えている。

生き生きと描かれる登場人物たち、彼らが胸に抱えるまっすぐな想い。

その1つひとつが、小説全体に流れる爽やかさを生み出し、読み手の心を強く揺さぶるのだ。


何かに、ひたむきに打ち込むこと。

風のように疾走する新二や連を追ううちに、読者は、重たい現実を一瞬だけ忘れ、彼らと同じ風になることができるのだ。


全部読むと数百ページになる長いお話である。

しかし書いてあることを要約すれば 「高校生の男が走る」という、ただそれだけだ。

セックス・シーンは皆無。暴力もふるわれない。

人が死ぬ場面もない。

主人公や恋人が 突然白血病になったりしない。

通俗的なドラマで話を盛り上げるために導入される要素が ほとんどない。

それでいて読後には読む前とは異なる世界が眼前に拡がる。

もしかしたらこの世の中はすごく魅惑的なものかも。

そう感じて生き返った気がする。


ただ走る話である。

走るというシンプルなことからも、希望や真実は伝わる。


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2011年5月3日火曜日

最近、生活がすさんでいませんか?●お勧めの青春群像小説●『風が強く吹いている』(三浦 しをん)

2001年の正月、酩酊しつつテレビを見ていた三浦しをんの脳内に天啓のような閃きが駆け抜けた。

「箱根駅伝いいっす。これは小説になる!」

以来、駅伝経験者を訪ね、H大とD大に取材を申し込み、早朝の練習や高原の夏合宿に随行、記録会や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行。

構想・執筆6年、ここに本邦初の王道「青春小説」が誕生した。

箱根駅伝をめざす若者たちを通して、自分と向き合い、ひとり孤独に戦いながらも、確実に誰かとつながってゆく 生きるための真の「強さ」を高らかに謳いあげた青春小説。



寛政大学4年の清瀬灰二は肌寒い三月、類まれな「走り」で夜道を駆け抜けていく蔵原走に出くわし、下宿の竹青荘に半ば強引に住まわせる。

清瀬には「夢と野望」があった。

もう一度、走りたい、駅伝の最高峰、箱根駅伝に出て、自分の追求する走りを見せたい。

その「夢と野望」を「現実」にするにはあと一年しかない。

そしていま強力な牽引者が彼の目の前に現れたのだ。


竹青荘は特異な才能に恵まれた男子学生の巣窟だった。

清瀬は彼らを脅しすかし、奮い立たせ、「箱根」に挑む。

たった十人で。蔵原の屈折や過去、住人の身体能力と精神力の限界など、壁と障害が立ちはだかるなか、果たして彼らは「あの山」の頂きにたどりつけるのか。


お正月に「箱根駅伝」を観る人も、観ない人も楽しめる「人間の成長」の物語。

ただ、この『風が強く吹いている』を読むと、「箱根駅伝」が3倍は楽しめる。


読み終わった時には、自分もまるで「箱根駅伝」を走り抜けたような爽快感がある。

僕は自分も中学校時代は「短距離」をやり、働き始めてからは「駅伝」と「フルマラソン」を走っているので、ここに登場する若きランナー達の心理描写がたまらなく良かった。

でも、じゃ、走ったことが無い人は、この本がつまらないかというと、とんでもない!

「なるほど、こんなことを考えて走っているのね。」と思えるし、「何故、苦しいのに走るのか?」という疑問にも答えてくれる。


とにかく、素人集団が天下の「箱根駅伝」を目指すという設定なので、多少、無理があるが、その無理さが、またたまらなくいい。

「駅伝」という孤独でありながら、チーム仲間意識を強烈に感じさせる競技だからこそ、実際の駅伝でもドラマが生まれるし、フィクションにおいても読む人に感動を与えてくれる。

これは「駅伝」というスポーツを通して人間がどん底から成長していき、チームの中に愛しいほどの戦友が生まれるまでを描いた、天下一品の青春群像ドラマになっている。


読者もまた、『風が強く吹いている』を通して成長するのだ。

最近、生活や思考がすさんでいるな、と思っている人には特にお勧めします。



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2011年5月2日月曜日

人生が熱くなるお勧めの本●『ボックス!』(百田 尚樹)

高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。

二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち......。

様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?

『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が、移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説!

ボクシング小説の最高傑作がいま誕生した!


王様のブランチ「マッチョイ」で推薦されていたこの本。

導入がいい。厚めの本は、導入の数ページで挫折したくなるものが多いが、導入の2ページで既に吸い込まれる。

放送作家という、飽きっぽい観客を対象にしたTV映像の世界で生きてきた作者ならではなのか。

この本の読者の真の対象はいわゆる「青春まっさなか」世代ではないような気がする。

いくつもの挫折を繰り返し、才や努力の狭間の中で、負けることへの恐怖心が生存本能で染み付き、動けなくなった大人たちへの示唆が溢れているからだ。

中心となる高校生達を、多くの大人たちがそれぞれ過ごしてきた人生と価値観を元に囲み、 それぞれの思いで、彼らに対して行く。


「努力は才を超えるか?」「才とは何か?」「情熱の源泉は?」そうした、様々な問いに対しての様々な答えをストーリーの中で見せていくこの本。

リミットを超える瞬間を求め、情熱を取り戻す喜びを、是非体感して欲しい。



熱い話である、胸すく話である、それでいて胸が締めつけられる話でもある。

とにかく、グッとくる事請負の小説。

ボクシングに天賦の才能を見出された無軌道な鏑矢と、彼を見守り、彼のように強くなりたいと願う聡明な優紀、これは、全くタイプの違う2人の高校生の友情とボクシングのドラマ。

物語は、優紀と、高校のボクシング部顧問の耀子の視点で終始展開する。

ふたりと、共通の“大きな存在”鏑矢、誰に感情移入しても面白く読めるが、個人的には優紀の“物語”により共感を持って読んだ。


彼女の前での理不尽な暴力に無抵抗のまま屈した思い、ボクシングが上達し心弾む喜び、思慕する耀子の鏑矢への目線を悟った時によぎる微妙な感情、何よりボクシングを通して人間的に強く大きくなっていくという、これは10代の男性の青春成長小説である。



ボクシングは相手の運動能力を破壊する目的で人体の急所ばかりを狙って殴る格闘技。

本編中に語られる定義は、このスポーツの本質を明確に言い表している。

これはまた、本格的なボクシング小説。

ルール、トレーニング、テクニック、戦術、闘争本能、そして精神世界と、ここまで細部に渡って描写された小説を知らない。

鏑矢を始め、ボクシング部員たちも、優紀、友野ら優等生たちも、皆嫌味なく清々しく書き込まれていて、いまどきこんな純粋な若者たちばかりなのかとも思うが、やはり好感が持てる。

ずば抜けて才能がある者と、絶え間ない努力でその位置に上ろうとする者。

“努力”、“天才”、“才能”、“一流”の本質について見事に言い得ているのも魅力的だ。

息つく間もない580頁、筆者は「探偵ナイトスクープ」等で知られる放送作家だそうだが、このドラマツルギー、ダイナミックな筆力は、只事ではない。

若い人はもちろん、かって若者だった人や女性にも是非お薦めの1冊と言っておきたい。


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いろんな意味で重たいがお勧めの本●『決壊』(平野 啓一郎)

2002年10月全国で犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。

容疑者として疑われたのは、被害者の兄でエリート公務員の沢野崇だったが……。

〈悪魔〉とは誰か?

〈離脱者〉とは何か?

止まらぬ殺人の連鎖。明かされる真相。

そして東京を襲ったテロの嵐!“決して赦されない罪”を通じて現代人の孤独な生を見つめる感動の大作。


凄い。
 
ドストエフスキー没して百年余。


この小説の凄さは、ドストエフスキー的な対話を軸に、ネットやメディアに溢れる言説を本物そっくりに活写し、かつ登場人物ひとりひとりの血を、体温を、リアルに濃密に伝えてくることだ。
 
残虐な連続殺人に対して、メディアの新情報を今か今かと待ち、残虐な事実を知るたびに、やり場のない怒りを紋切型の喋りでしか表現できないもどかしさに腹立つ、という状況は、まるで現実そのもので、犯人の少年や家族の言葉は雑誌やテレビというメディアを通して、実在の事件そのものだ。

そこに生身の少年がリアルに描かれることで、コメンテーターや教育者の正義の言説の空疎さが浮き彫りになってしまう。

 
殊に沢野一家の悲劇は、前半のリアルな一家団欒の描写を経て、痛ましく胸に迫り、はからずも平成のスタヴローギンとなってしまう沢野崇の造形は真に魅力的だ。
 

想像や未来の予知などと言うよりは、明らかに現状を写実したものに近い。

本作で語られることは極めて切実で我々の身に、いや心に迫ってくるが、「なぜ人を殺してはいけないか」という問いを初めとして、どれもこれも殆どがどこかで聞いた事ある事ばかりである。

小難しい言葉で飾られた思想のごときものも実質は同じであり、結局のところそれは今の時代の状況、現代人の抱える思いや言葉を代弁し語り、時代精神をそのまま描いただけなのである。

本作のそういう時代精神・時代状況の写実は専ら殺人事件や犯罪をめぐる諸問題や諸言説を対象としている。

責任能力や精神病の問題から警察の取調べの問題まで現代日本で騒がれる犯罪関係、法律関係のあらゆる問題が本作内には凝縮され扱われていると言えよう。

それは私としては高く評価できる極めて意義ある事に思えた。


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自分の感受性くらい自分で磨け●茨木のり子詩集『おんなのことば』

ポケットに入る詩集なのに、その中身には人生が凝縮されている。

決して難しい言葉や表現を使ってないのに、何故か、新鮮な言葉。

決して世間に媚びず、前向きに人生を凝視している。

背筋を伸ばして凛としている言葉たち。


冒頭の「自分の感受性くらい」を読むと、頭をガーンと叩かれた感じになる。



『自分の感受性くらい』茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ





人間の醜さを認めながらも、人間を愛している詩人の茨木のり子。


無駄口ばかり叩いている僕だけど、この詩集を読む返すたびに自分が恥ずかしくなる。

本当のことを語るのに、そんなに多くの言葉はいらないんだよ、と教えてくれる。

どの詩を読んでも魂が洗われていく。



いい詩は「飛躍」がある。

いい詩は世界を「別の視点」で見せてくれる。


僕は惰性に流され生きているなと、気が付いたら、必ず、この詩集を開く。

この詩集『おんなのことば』は時には僕を叱ってくれ、時にはより多く、励ましてくれる。


全然、関係ないのだが、茨木のり子さんは僕と同じ薬学出身なので、それだけでも嬉しくなってしまう(もう、故人になられている)。



茨木のり子さんが詩の楽しみ方や感じ方を書いた『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書、1979年)は小中学生用に書かれたものだが、大人でも十分に考えさせてくれる本になっており、なるほど、詩はこういう味わい方をするのね、と教えくれる。

この『詩のこころを読む』と、今まで読んでいた詩も別の味わい方を感じさせてくれる。


砂漠の中のオアシスのような詩集『おんなのことば』は、「詩はちょっと・・・」と照れているあなたにもお勧めのできる詩集です。


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2011年5月1日日曜日

怖くても徹夜するほど面白い小説●ホラーの金字塔●リング、らせん、ループ、バースディ(鈴木光司)

ゴールデンウイークはこれで決まりだ!!


同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。

雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。

―そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。

少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。

浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。

期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。

静かにビデオが始まった…。

恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。



今さらなのだが、「リング」である。

まだ読んでない方は是非、今すぐに読んで欲しい。


一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

この忌まわしいビデオの中には、一体どんなメッセージが…!? 

恐怖とともに、未知なる世界へと導くオカルト・ホラー。


「リング」を読んだら続編の「らせん」、「ループ」、「バースデイ」の順に全作品を読まれることを強くお勧めします。



「リング」⇒「らせん」⇒「ループ」⇒「バースデイ」



少年少女たちが、なぜ死んだのかという謎解きよりは、1週間という限られた時間の中で、生き延びるための手段を見つけ出さなければならないという緊迫感が読者に言い知れぬ緊張を与える。

これだけでは単なるホラー小説として片付けられたかもしれない。

しかし、本当の恐怖は物語の終盤に差し掛かるにつれて、増大していく。

どこまでも限りなく続く、逃れられない恐怖を描いたホラー小説である。

四人の少年少女たちの謎の突然死に始まるこの作品で鈴木光司が見せてくれたのは、従来のオーソドックスなホラー小説にありがちな単なる戦慄・不安・緊張感・嫌悪といった感情だけではなく、斬新な概念の恐怖と、彼自身の才能の眩い輝きだ。


ホラー好きでなくとも絶対対楽しめますよ。


「ループ」や「バースデイ」の構想が有ったうえでの「リング」だったのだろうか?

もし、そうだとしたら鈴木光司は天才だ。


何はともあれ、今すぐに購入して、即、徹夜しよう。

これを読まずに死ねないね。



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